「色 心理 効果」などで検索をかけると、様々な色の心理効果をレクチャーしてくれるサイトは山のように存在します。色別に相手に与える印象を教えてくれるサイトや、色と色の組み合わせでお互いがケンカしないようにする色の組み合わせ方法など、用途によって活用できるサイトはすごく多い。
しかし、その『色の心理効果』でどのように相手をコントロールすることができるのかを解説しているサイトはあまり多くはありません。
今回は、色と外見の心理効果で相手の行動をこちらの思うように誘導する方法をクリップタイムしていきます。
色と外見の心理効果で相手の行動を思いのままに
色が相手に与える心理効果は、あなたが思っているより絶大な効果があります。普段は色で相手の行動が変わるといった実感がわいていない人の方が多いので、なかなかピンとこないのもそのはず。私たちは普段その色の心理効果にかかっている側にいる方が明らかに多いからです。
色の心理効果は、意識的に実践してこそ効果を実感できます。
- なんであの人は何回言ってもちゃんとやってくれないんだろう・・
- 文句ばかり言う部下たちを納得させる方法はないかな・・
そんな悩みを抱えているあなたへ、特別授業を始めます。
色の心理効果で相手のやる気をコントロールしよう
全国の子供を持つ家庭の悩み調査では、第一位が子供の勉強嫌いという結果があります。やっと机に向かって勉強を始めたかと思うと、すぐに飽きてしまいゲームやテレビに走ってしまう、そんなとき、「はやく勉強しなさい!遊んでばかりいないで!」と言いたいのが世の親の気持ちです。
しかし、その一言は子供のやる気をおおいに削ぐこととなり、往々にして逆効果。仮に子供に勉強をさせたいのなら、毎日のように口うるさく注意するのではなく、一旦黙って部屋の中の色をガラッと変えてみるといいのです。
人間のやる気と色の心理効果について、こんな実験結果があります。
どの教室にもある机と、同じ大きさの紙を用意します。その紙の色は、「赤」「オレンジ」「ピンク」「黄色」「濃緑」「水色」「紺」「黄緑」「茶」「灰色」の10種類。 そして子供たちに好きな色を選ばせ、選んだ紙を机の上に敷き、その上から透明の板をかぶせて授業を受けてもらう。 すると、性別や年齢に関係なく、もっとも多く選ばれた色は「水色」でした。 そして、実験の最後に、自分で選んだ色の机で勉強をした感想を調査すると、総じて普段よりも勉強への意欲が高まっていたことが分かったのです。 また、授業の教科別に机の色を自由に変えていいと言ったところ、
を選ぶ子供が多いという結果も出たのです。 |
このような結果をみると、色にはどうやら子供のやる気を高める心理効果があるということがわかります。
人間は、自分で選んだ物事については無意識に自ら率先して行動しようとする生き物なのです。
そう考えると、毎日毎日「すこしは勉強しなさい!」と言うばかりでは親としてあまりにも芸がありません。机や椅子、カーテンや絨毯などの色を、子供に選ばせて変えてみることで、少しは勉強好きになる可能性はグンとあがります。
こういった色の心理効果は、なにも子供だけに通用するものではありません。
ビジネスシーンにおいても、この色の心理効果はとても効果があります。
何事にもやる気をみせない部下を誘導したいときには、あえて部下に方向性を決めさせ、プランを練ってもらう。そこで具体的な内容までも一旦任せることで、そのプランへの無意識の執着がわき、やる気に変わる確率は上がるでしょう。
会社内の引っ越しや席替えのときなども、レイアウトは自分たちで決めさせることで、その席での作業効率が上がる例はよく聞く効果ですね。
このように、色の心理効果を使って、相手の行動を操作することは、そう難しくはありません。相手の行動にいまひとつな部分を感じているのなら、この色の心理効果をトライしてみるのも一つの手ではないでしょうか。
相手が男性なら絶対に「赤」を使え
誰でもテレビで一度は見たことがある「闘牛士」。この闘牛士は、赤いマントをヒラヒラと揺らし、目の前の牛と闘うというショーを繰り広げますよね。この”赤いマント”を使う理由として、「牛は赤い色を見ると興奮するから」と思っている人がほとんどだと思いますが、実はマントの色は牛に対しては全く関係ありません。
実は、牛はマントの色ではなく、ヒラヒラとした動きに反応しているだけなのです。
ではなぜ、世の闘牛士たちは赤いマントを使っているのか。これは、牛ではなく闘牛を見に来ている観客を興奮させるためにあえて”赤いマント”を使っていたのです。
人間は、赤い色を見ると脳が緊張状態になり、興奮して血圧が上昇し、心拍数が上がる生き物なのです。
この色の心理効果を非常に上手く活用しているのが”水商売”です。キャバクラやスナック、バーなどでは店内の照明を赤っぽくしている店が多いはず、これは、店内を赤くすることで客の”興奮効果”を期待したものと言えます。
赤い照明のもとで女性を見ると、男性の脳は普段以上に気分が高揚しやすくなるのです。興奮すれば、その店の女性がよりいっそう魅力的に感じることができるというわけです。
さらに、店内を赤くすると、女性が美しく見えるという効果もあり、赤い照明のもとでは、人間の眼は物体の正しい形が認識しにくくなります。そこらへんにいそうな女性でも、顔立ちの整った美人に見えたり、すんぐりむっくりの女性も、グラマーなセクシー美女に見えたりするのです。
おまけに、赤い照明の空間では、人間は時間経過を長く感じる傾向があり、まだ一時間しか経っていないのに、既に2時間ほどそこにいたような気になります。実際には1時間しか経ってないのに、十分遊んだ気になり、店としては回転率向上にも繋がります。
つまり、相手が男性なら、様々な点で判断力を鈍らせる赤い色の効果を利用するのが得策というわけです。ただ、この赤い色の効果は女性には通用しません。赤に興奮するのは血液の色がだからという説もありますが、この心理効果は男性向けの心理テクニックと言えるでしょう。
このように、色の心理効果をビジネスで実践している企業も多く存在します。保険営業マンや金融マンなどは、外で顧客と会うことが多い職業です。そんなとき、相手を連れていくお店の照明をあらかじめチェックするのです。
なるべく赤っぽい照明を使っている店をチョイスし、そこで仕事の話をすることで、相手は無意識に判断レベルが減少し、こちらの思う方向に話を進めやすくなります。普段何気なく選び、何気なく進めていた事柄も、この色の心理効果を上手く活用することで、相手の心理を操作できるということです。
せっかく日々汗水流して仕事をしているわけですから、簡単にできるこの色の心理効果を使わない手はありません。
プレゼン資料は料理と同じ、色の効果でより印象付けろ
日本にはたくさんの料理研究家がいます。テレビに出演して活躍している人から、コツコツ地道にブログの広告収入で食べている人まで現状はピンキリ状態。そんな彼女らが料理を作るうえで大切にしていることは様々です。素材を第一に考えている人もいれば、どんな調味料を使うかを吟味する人、温度の管理を大事にして香りを重要視する人もいるでしょう。
しかし、そんななかで、どの料理研究家も口をそろえて最も大事にしていることがあります。
それは料理の ”色” です。色は、人の味覚に対しとても大きな役割を果たしていて、その料理の見た目の色で、「旨い」「まずい」が判断されてしまうことが最も多いと言います。
そんな色の心理効果を検証した実験があります。
同じカップに、同じ豆で同じ方法でいれたコーヒーを注ぎます。 それぞれのカップの横には、「中身はこれですよ」と分かるようにコーヒー缶を置いておくのですが、この缶に使われている色を、被験者ごとに違う色にしておきます。 使用した色は、「赤」「黄」「緑」の3種類で、被験者にはそれぞれ、その色のコーヒーを飲んだと思わせるように配置。 このような状態で、数十人の被験者に対し3つのコーヒーを飲み比べてもらいました。 すると結果は、
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全く同じコーヒーにもかかわらず、被験者たちは色の心理効果によって味覚が左右されたのです。
人間は、見た目でもその料理の味を感じているというわけです。
また、料理の世界では、器の色にも心理的効果があり、熱い料理には暖色系の食器を、冷たい料理には寒色系の食器を使うのが鉄則とされています。これもやはり見た目の印象で、食べる人間の心理的な錯覚を期待しているものと言えます。
このように、色の心理効果は食べ物にまで及ぶということが分かりますが、これはなにも料理だけに使える効果ではありません。ビジネスの場においても、この色の効果は大いに活用できます。
これは有名な話ですが、
熱血な性格でいつも気合の入っている営業の高橋くん。資料の内容も説明の仕方もしっかりできているのに、なぜがプレゼンや商談でいまいち評価が伸びない。 そんなとき彼が行ったのは、資料の ”色” を見直すということ。いつもはビジネスシーンだからと「青」や「緑」を使うことが多かった高橋くんは、自分の性格や喋り方に合わせてあえて「赤」ベースの資料に変えてみたのです。 すると、内容や説明方法はいつもと変わらないのに、相手からの印象や上司からの評価がだんだん変わっていったというのです。 |
このように、それを使う人に合わせて資料の”色”を変えるのも、この色の心理効果を使う一つの方法です。私だちが普段目にしているパソコンの色、本の色、エレベーターのボタン、アプリのアイコンの色、などにはその色を使っている”意味”があります。
小さなことですが、このように色の心理効果を使うことで、あなたのビジネスチャンスも広がるかもしれません。
色の使い分けで商品の値段は操作できる
結婚式の引き出物と聞くと、普段見ない四角い大きな袋に食器やらタオルやら色んなものが詰まっているイメージですよね。バッグも持っているのに、電車であの大きな袋を持って帰るのはなにかと大変です。そのため、世の結婚式場は、招待客にそんな思いをさせないために、引き出物の袋の色は「白」が鉄則になっています。
真っ黒や真っ赤の袋に入った引き出物はなかなかありませんよね、白や明るい色を使うのには、重い物を軽く感じさせる ”色の心理効果” があるからなのです。
この色の心理効果を裏付けた、アメリカの製品工場の事例があります。
とある製品工場で、扱っている製品を運ぶのに黒い金属の箱を使っていました。すると、工場職員から「この箱重すぎてこれじゃ背骨が折れるよ!」と苦情がでるようになった。 このとき、会社側は、箱の中身を減らすようなことはせず、その代わりに、黒い金属の箱を真っ白に塗り替えたのです。 そして、工場職員たちには箱の中身に関しては一切触れず、この新しい真っ白な箱を使わせたのです。 すると工場職員たちからの苦情がピタッと止まったのです。「軽くなったから運ぶのが楽になった」と言い出すまでに。 実際に工場職員たちの動きは改善され、作業はよりスムーズに進むようになったのです。 |
このように、色の心理効果には、モノの重さをも錯覚させてしまう効果があり、職員たちはまんまと会社側の心理作戦に引っかかったのです。
この色の心理効果には、色によって重さの感じ方に違いが生じます。一番重く感じるのは「黒」。続いて「赤」「緑」「青」「紫」の順番です。逆に軽く感じさせることができるのが「白」「ライトグリーン」などの淡い色になります。引っ越し業者が白い段ボールを使っているのも、この色の心理効果を実践している証拠です。
この ”色の心理効果” は、体感する重量のみに効果があるわけではありません。そのモノに対して人が感じる「高級感」や「重要度」といった部分にも効果があります。
例えば、企業が商品の値段を決めるときにも活用されています。同じ商品が黒系のパッケージの場合と真っ白のパーケージの場合、その商品の種類にもよりますが、同じ値段なら黒系のパッケージの方が高級なモノだと感じるユーザーは非常に多く、あえて重い色を使った商品アピールを実践している企業は多く存在します。
商談相手にお土産を持っていくときなどや、新規契約時に商品の比較をさせる場合などには、なるべく重い色の袋やデザインにすることで、「こっちの方が良さそう」「こっちの方が高級な感じ」と、相手の心理効果を操作することができます。
人の目に映るのは内面じゃない!外見だ!
若いビジネスパーソンの中には、そこまで収入が無いのにもかかわらず、ブランド物の洋服や高級な腕時計をつけている人も少なくはありません。そんな中堅ビジネスマンに対して、「外見を気にする前に早く仕事を覚えたらどうだ!」と思っているベテランさんも多いはず。
しかし、外見を気にすることは、ビジネスにおいて決して無駄なことなんかではありません。
人間は、外見の良い人とそうでない人を見たとき、無意識に外見の良い人の方を高く評価してしまう生き物なのです。
この外見に対する心理効果を実証したこんな実験があります。
公衆電話内のよく見える位置に、わざと100円を置き忘れておき、次の人が入るのを待って、公衆電話ボックスの扉を叩く。 そして中の人に、「100円を置き忘れたのですが、なかったでしょうか?」と尋ねます。 このとき、
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このように、人は、きちんとした服装でいるほうが、相手から信用されやすく、正直な対応をされやすいのです。
外見で相手からの印象が変わるのは、服装だけではありません。人間の身長についても、同じような心理効果があります。身長の高い人と低い人では、高い人の方が相手に好印象を与え、デキる人間だと見られやすい傾向があります。
新人面接時にも、人事課の担当者が、「183センチの人」と「163センチの人」、どちらを採用するかで迷ったとき、能力はほぼ同じにもかかわらず、大半の担当者が「183センチの人」を選んだという実験すらあるほどです。
このように、外見が相手に与える心理効果は非常にバカにできないものがあります。自分の外見を良く見せる努力をするのは当たり前ですが、誰かとタッグを組むときなども、相手の容姿を重視して選ぶことで、周りからの印象も高評価に繋げることができると言えるでしょう。
色で心理が変わるのは自分自身も同じこと
このように、色の心理効果で相手の行動をコントロールできることは分かりましたよね。ただ、この色の心理効果を感じてしまうのは自分自身も同じこと。
普段何気なく見たり過ごしたりしていることに少し目を向けてみると、「こんな風に自分は心理効果を受けていたのか」と発見が必ずあるはず。
その発見をあなたのビジネスシーンに活かして、目標に進んでいきましょう。