若者の草食化は経済効果があった!?『逃げ恥』と草食社会の利害関係

うつけ
草食といったらつねちゃんだよねー、もっと肉食でいこーよそろそろ!
つねちゃん
僕は草食じゃない!ただ興味がないだけだよ。
うつけ
そっか、、。それを装飾って言うんだけどな・・・。

逃げるは恥だが役に立つ - We married as a job ! –

最近の民放ドラマでは話題を総取りした[逃げ恥]。
昨年逃げ恥ブームを巻き起こし、恋ダンスといったキャッチ―でポップなダンスも一世を風靡したのは記憶にも新しいでしょう。

新垣結衣演じる(森山みくり:26歳)、彼氏なし。院卒だけど内定ゼロ。派遣社員になるも派遣切り。
見かねた父親のはからいで、父親の元部下で独身の会社員・津崎さん(星野源)の家事代行として働き始めた。
良好な関係を築くも、あるキッカケでその仕事も失いそうになる。
将来に不安を抱え追いつめられたみくりは、ひょんな会話の流れから津崎に 「就職という意味で結婚するのはどうですか?」 と提案してしまう。
そこで、現状を維持したいふたりが出した結論は、就職としての結婚 (契約結婚) だった。

こんなとても常識外れな設定でスタートをきる逃げ恥。TV業界も今では視聴率低下が進み、番組打ち切りや早期終了が目立つなか、なぜこんなにも人々の共感を生み大ヒットに繋がったのでしょうか。
そこには現代社会の[状態]とのある共通点がありました。

同ドラマも既に最終回をむかえ、「逃げ恥ロス」という社会現象も起き一世を風靡しましたが、年も明けその状況も一旦落ち着いた今、共通点をクリップタイムしていきます。

 

テレビドラマ枠の歴史

今までの火曜ドラマと言えば、「ダメな私に恋してください」(主演:深田恭子)や、「結婚できない男」(主演:阿部寛)などなど、恋愛系のドラマで比べると、コミカルなラブコメディが目立つのが火曜10時のTBSドラマの特徴でした。

一方、月曜9時のドラマ(いわゆる[ゲツク])と言われる枠では、「ロングバケーション(主演:木村拓哉)」や「やまとなでしこ(主演:松嶋菜々子)」、「プロポーズ大作戦(主演:山下智久)」や「リッチマン、プアウーマン(主演:小栗旬・石原さとみ)」など、王道ラブストーリーが視聴率を稼いできた時代がありました。

しかし時は流れ、時代は変わり、従来通りの王道ラブストーリーが昨今ではあまり視聴率を稼げていない。
「ゆとり世代」「さとり世代」などという言葉が生まれ、[草食男子][受け身男子]が急増しているといったニュースも多く目にします。

 

現代の若者社会との共通点?

ではなぜ、大ヒットドラマ[逃げ恥]は、ここまで世の人々の共感を得ることができたのか。
それは、現代社会においての若者の思考に大きく関係しています。

今の日本社会はアベノミクスの結果で景気が回復してきていると言われてはいますが、まだまだ一般消費者が実感するまでその恩恵が浸透していないのが現状です。

草食や受け身から始まり、若者の[非浪費現象]、[欲しがらない若者]などとメディアでは取り上げられ、非常に消極的な生活状況が目立つなか、いま、若者の[結婚]に対する意識が変わってきています。

 

結婚はしたいけど恋愛はめんどくさい!?

今までは、[恋愛]というものに憧れを抱き、

女性は、「こんなシチュエーションでのデートや、あんなシチュエーションでの告白」といった少々ロマンチックな状況を好む傾向が目立ち、

男性は、「こんな風にサプライズや、あんな風にかっこよくリード」、という考えて状況を創作する恋愛をする人々がほとんどでした。

しかし現代では、「結婚はしたいけど恋愛はしたくない」というなんとも都合のいいというか合理的と言えばいいのかという考えを抱く若者が多い現状があります。

『相手とのコミュニケーションで嫌な思いをしたり、めんどくさい思いをするぐらいなら、最初から結婚をしてしまう方が幸せを直結購入できる』

という思考が生まれているのです。

今までは、何かを作ったりゴールに向かって行動する経緯(プロセス)を重んじてきた日本社会でしたが、現代では全ての物事がいきなり直結することが良しとされ、評価される風潮が生まれています。

もどかしさに共感を得た

そんな現代の若者社会にしっくりハマったのが、同ドラマの大見出しである[契約結婚]です、恋愛という若者にとっては大いにめんどくさく非合理的である状況をスッ飛ばし、給与をもらう主婦という形で契約結婚をするという設定が消極的でより現実思考な現代社会で生きる人々の共感を得たのです。

どことなくもどかしい「ヒラマサ(津崎さん)」に対し、行きたくても行けない草食男子が同調し、
来てほしいんだけど合理主義な「みくり」に対し、肉食だけど現実思考な現代女子が共感したというわけです。

そこにプラスαで、ガッキーの絶大なる可愛さや星野源の不甲斐ないけど可愛らしく愛おしい役柄が上手くマッチし、恋ダンスといったユーザーを巻き込み一緒になって共有する仕組みも加わったため、今回の大ヒットとなり社会現象を引き起こした理由と言えるでしょう。

 

無意識の共感を意識的に生み出すこと

消極的でより現実思考な現代社会で生きる人々の共感を得て大ヒットに繋がった同ドラマですが、

  • 生涯未婚率の年々上昇傾向
  • 出生率の年々減少傾向
  • リアルタイムSNSの急激普及

など、現代の若者社会を取り巻く環境こそが、その根源を作り出している原因であり、国からすれば要改善問題の一つとなっていますが、その背景をキャッチしビジネスに繋げるという考え方もまた、生き抜くためには必要な伝達術であるのも事実です。

どんなビジネスでも、今回の[逃げるは恥だが役に立つ]のように背景を押さえてピンポイントに訴求するということこそが、相手を想い考えて喜ばせることに繋がっていくのではないでしょか。

伝える、ということは相手を想うことが原点にあるのだと、改めて考えさせられる作品と言えます。
この『やり方』は様々なビジネスシーンにも活用できます。

無意識の共感を意識的に生み出すことこそがビジネスチャンスを掴むひとつのキーポイントになります。

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「新しいスマホビュー時代をつくろう」というのをコンセプトに、スマホでの見やすさ、操作しやすさにとことんこだわりました。