あなたの会社ではサービス残業してますか?
- サービス残業がほぼほぼ義務化のような風潮の会社に勤めている方
- しなきゃいけない風潮はないけどなんとなくしてしまっている方
- みんなはしてるけど私はしない派の方
- 時給欲しいから全然大歓迎!な方
様々な方がいると思います。
「なぜサービス残業の賛否問題がいつまで経ってもなくならないのか」、そこに目線を向け知っておくべき基礎としてクリップタイムしていきます。
そもそも労働時間とは?
私たちは、日々会社に出社して仕事をこなしています。
でも会社に行くまでは通勤時間が存在します、お昼を食べる休憩時間もあるでしょう、出張がある方は出張先への往復時間もでてきます。
まずは、労働時間とはなにか、これを理解していきましょう。
定義がない?
実は労働基準法において労働時間の定義は定められていません。
そのため、裁判の例に沿って解釈しなければならないのが現状です。
その解釈で進めると一般的には、
「労働者が実際に労働している時間に限らず、労働者の行動が使用者(上司・社長)の指示命令下に置かれているものと判断できる時間」 |
と定義することができます。
重要なのは、
「労働者の行動が使用者(上司・社長)の指示命令下に置かれているものと判断できる時間」の部分です。
普段何気なく行っている手待ち時間も使用者に義務付けられたものれあれば、労働時間に含まれるということになります。
ではその手待ち時間とは具体的にどんな場合に該当するのか、例を見てみましょう。
労 働 時 間 に 該 当 す る 例
- お昼休みの電話番や来客対応
お昼休み中であっても、電話や来客があった際に対応しなければならないケース - 暗黙の指示
労働者がサービス残業をしていることを、使用者(上司・社長)が分かっているのにもかかわらず、見て見ぬ振りをしているケース。または、「早く帰りなさい」などの指示を受けたことがないケース - 所定労働時間外の教育など
研修や社員旅行などに参加するケース(指示されたものに限り、自主参加によるものは労働時間に該当しないケースが多い) - 更衣時間
制服や作業着の着用が義務付けられているケース
労 働 時 間 に 該 当 し な い 例
- 通勤時間
- 出張先などへの直行直帰の移動時間
※しかしその出張が、商品などの運搬目的である場合は労働時間に該当するケースがある
「労働者の行動が使用者(上司・社長)の指示命令下に置かれているものと判断できる時間」というのがやはりポイントになっていますよね。
今回は上記の例を元に、
サービス残業は良いのか悪いのかについて、もう少し踏み込んでいきましょう。
生産性vs人口増加
私たちが在籍している日本という国は、何といってもモノづくりの産業でここまでの発展をさせてきた国です。
日本にある創業100年以上の老舗企業は10万社以上もあり、これは圧倒的に世界一の数字です。
その中でも、「金剛組」という企業は、お寺や神社などを建築している企業で、創業578年という偉大な老舗企業です。
飛鳥時代にさかのぼりあの聖徳太子が生きていたころから存在する超老舗企業になります。
日本の老舗企業一例
- アロンアルファ:瞬間接着剤世界一
- SMC:空圧制御装置世界一
- ワコム:コンピュータータブレット世界一
- 村田製作所:セラミックコンデンサ世界一
- ファインパーツ:髪の毛より細いバネの開発世界
- ハードロック工業:緩まないねじ世界一
- 任天堂:テレビゲーム世界一
などなど、まだまだ数えきれないほどのモノづくり企業が日本には存在します。
良く知られている日本を支えるモノづくり企業一例
- トヨタ自動車
- SONY
- ブリヂストン
- ユニクロ
私たちにも馴染みのある企業が多いですよね。
産業発展の根源は相手に応える気持ち?
上記のように、日本の産業は自国にとどまらず世界各国にまでその安定性・信頼性をとどろかせてきました。
ではなぜ、日本はモノづくり産業でそこまでの発展を成し遂げることができたのでしょうか。
それは、「相手に応える気持ちが世界のどの国よりも強いから」と言えるでしょう。
日本人は奥ゆかしく礼儀正しいなどとよく言われますがその想いこそが、「相手の企業(世界を含む)の要望を叶えてあげたい、自分達が叶えるんだ」という想いに変わり、昼夜を問わずに働き続け現代にまで続く結果を残してきました。
その偉大なる歴史から今回の議題を紐解いてみた場合、サービス残業を無くしたら日本の生産性は下がるという意見が多く寄せられています。
では、サービス残業を無くした場合のメリットはないのでしょうか?反対意見の解説にいきましょう。
サービス残業の有無が人口の増加に関係している?
【日本の人口問題】、毎日のニュースなどで聞き覚えのある方も多いと思いますが、
この人口問題はニュースで語られている以上に日本が抱える深刻な問題になります。
「現在の日本の人口を知っていますか?」
答えられる方も多いと思います。日本の人口は現在1億2千7百万人と言われています。ちなみにお隣の韓国は5千万人、巨大大国ロシアは1億4千万人と言われています。
これだけでも、日本という国は国土のわりに人口が多い国と言えます。
では、
「日本の高齢者(65歳以上)と若者の比率を知っていますか?」
と聞かれたらどうでしょうか。
自国の人口数は言えても、その割合を聞かれたら答えられない方が多いのが現状です。
日本の高齢者と若者の割合は、実に4人に1人が高齢者です。
現在約3000万人以上の国民が高齢者となり、総人口に占める割合は25%と過去最高に達しています。
少し時代をさかのぼり、昭和20年頃の高齢者の数は500万人でした。約70年弱で実にその数は6倍にも膨れ上がっています。
これは、いわゆる【団塊の世代】と呼ばれる昭和22年~24年生まれの方々が時代とともに歳をとり、高齢者の仲間入りをしたことが、数値を変えた大きな原因と言えます。
しかし、その反面同じように出生率を維持できていれば、このような事態にはならなかったはず。
ではなぜ、出生率を維持できなかったのか。それはバブル崩壊後から現代までの日本人の仕事に対する取り組み方に変化が起きたからと言えるでしょう。
どういうことか?次に進みますね。
家族との時間が減少する家庭が増えた理由
高齢者が500万人ほどだった昭和20年、バブル崩壊の約40年も前のこと。その40年間ですら高齢者は増える一方でしたが、バブル崩壊後日本の現役世代のサラリーマンはなんとか状況を立て直そうと日々仕事に没頭しました。
そしてインターネットの誕生、急激な普及により、若者の非現実コミュケーションが盛んになります。
その二つの要因に拍車がかかり、家族との時間の減少・恋人を欲さない価値観の形成が大きくスピードを上げることになります。
そのため愛する人との時間も減り、出生率が伸び悩み、若者に至っては恋人を作る気にもならない時代にまで発展してしまったのです。
その要因もあり、サービス残業を減らせば日本の人口は増えるという意見も多く寄せられているのでしょう。
ただこの二つの意見には、それぞれの良し悪しが存在します。
サービス残業OK、サービス残業NGのメリットデメリット
残 業 O K
- 直近の変化
生産性が上がるが人口が減る一方になる - 長期的な変化
人口が減り続ければ後々必ず生産性は下がっていく
残 業 N G
- 直近の変化
サービス残業を無くせば人口は増える傾向に - 長期的な変化
人口が増えていけば後々おのずと生産性は保たれていく
- 今の現状を支えなくては生き残れない企業の想い
- 長期的にでも改善の方向に導きたい国
そしてその企業で働く私たちもまた、家庭を守るため、大切なもののために日々の時間を仕事に注いでいます。
企業と国の両者に挟まれ、何が正しいのかもわからないまま、近年では日々サービス残業を強いられた結果自殺するなんて残酷なニュースもあるほどです。
誰かにとってはメリットであることも、誰かにとっては最大のデメリットになっている
こういった状況はこの問題に限らず、私たちの日常のあらゆるところに存在します。
今回のサービス残業問題、あなたならどうとらえ、どう考えますか?
双方の意見を理解しておく
どんな問題にも必ず双方の意見があり、それぞれの想いがあるからこそ協議や問題に発展します。
そんなとき、双方の良い部分をとり双方の悪い部分を隠すことなく減らしていく。
そんな提案ができれば、何かの発展につながるのかもしれないですね。
もう一度問います、
あなたならどうとらえ、どう考えますか?